春の選抜高校野球大会の出場校は「一般選考枠」と「21世紀枠」がありますが。

 

この21世紀枠について「いらない」「かわいそう」という声が挙がっています。

 

そもそも21世紀枠とはどういう枠なのでしょうか?

 

21世紀枠の選考基準歴代の21世紀枠出場校、21世紀枠の問題点についてまとめてみました。




 

Contents

21世紀枠とは?「いらない」の声多数だが選考基準は?

高校球児にとって憧れの大会である甲子園。

 

夏の甲子園は地方大会の優勝校が出場するのに対し、春の甲子園(センバツ)は選考委員会によって出場校が決められます。

 

センバツに出場できるのは、

・一般選考

・21世紀枠

という2パターンがあるのですが。

 

このうちの21世紀枠について「いらない」「かわいそう」などの声が毎年噴出しています。

 

21世紀枠の選考基準は?

そもそも、21世紀枠とはどのようにして選ばれるのでしょうか?

 

一般選考が秋季大会の成績を参考に決められるのに対し、21世紀枠

(1)秋季都道府県大会のベスト16以上

(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)

(2)以下の推薦例のいずれかに当てはまる学校

・部員が少ない、練習環境が整っていない、自然災害など困難な環境の克服

・学業と部活動を両立していて、他校の模範となる

・本当は強いのに強豪校に敗れるなどして甲子園出場まであと一歩及ばない

・ボランティア活動を行うなど、学内や地域に好影響を与えている

というチームの中から選ばれています。

 

これは主催者の一つである毎日新聞社が

勝敗にこだわらず多角的に出場校を選ぶセンバツ大会の特性を活かし、技能だけではなく高校野球の模範的な姿を実践している学校を選ぶ

としているからです。

 

21世紀枠を選ぶ手順としては、

・まず各都道府県連盟が1校ずつ推薦する

・次に各地区の推薦1校が選ばれる

・地区推薦校の中から21世紀枠が選ばれる

という流れになっています。

 

21世紀枠に「いらない」の声多数

21世紀枠でのセンバツ出場について、出場校や地域住民が喜ぶ一方で

「21世紀枠いらない」

「21世紀枠って必要?」

「21世紀枠、なんで出られるの?」

という声が毎年挙がっているのも事実です。

 

私も、21世紀枠というのは

「21世紀に突入した記念に(2001年にだけ)」

設けられるものだと思っていたので、「いつまで続くの?」と思ってます^^;)

 

確かに、21世紀枠でセンバツに出場できるとなったら選手は嬉しいでしょうし、励みになると思います。

 

震災に遭った被災地からの出場校は力を入れて応援したくなりますし、甲子園出場を励みに困難な生活を乗り切って欲しいとも思います。

 

しかし初戦で強豪校と当たってボロ負けしてしまう姿が「かわいそう」と言われるのも事実です。

 

21世紀枠は忖度で決まる!?

また、2018年のセンバツでは滋賀県の膳所(ぜぜ)高校が21世紀枠の1つに選ばれましたが。

 

膳所高校の2017秋大会の成績は滋賀県ベスト8止まりです 🙁 

 

滋賀県は他にも一般選考で近江と彦根東が選ばれていて、1つの県から3校の出場は多すぎるように感じます(東京など、高校が200を超えるような都道府県は別として)。

 

実はセンバツのもう一つの主催者である高野連(日本高等学校野球連盟)の副会長・西岡宏堂氏は膳所高校の元校長であり、元野球部長でもあった方なのです。

 

甲子園出場を喜ぶ膳所高校の部員たちには申し訳ないのですが、

膳所高校が選考されたのは西岡氏への忖度(そんたく:気を使うこと)

・・・ということを疑ってしまいます。




 

21世紀枠、歴代の出場校は?

これまでに「21世紀枠」で出場した高校はどこか、選抜された理由と試合結果と共にまとめてみました。

2001年

安積(福島)

創立創部ともに福島県で最も古く、質実剛健の考える野球を実践/初戦敗退

宜野座(沖縄)

部員全員が地元中学出身で、過疎地域にありながら地域貢献を果たす/ベスト4

2002年

鵡川(北海道)

廃校の危機を乗り越え、希望の星となった/2回戦敗退

松江北(島根)

県内屈指の進学校/初戦敗退

2003年

柏崎(新潟)

豪雪地のハンデを克服/初戦敗退

隠岐(島根)

離島の過酷な条件を克服/初戦敗退

2004年

一関一(岩手)

県内屈指の進学校/初戦敗退

八幡浜(愛媛)

生徒数激減の中でも文武両道を徹底/初戦敗退

2005年

一迫商(宮城)

地域密着の活動で過疎の町を勇気づけた/2回戦敗退

高松(香川)

県内屈指の進学校/初戦敗退

2006年

真岡工(栃木)

地元密着の選手育成/初戦敗退

金沢桜丘(石川)

県内有数の進学校/初戦敗退

2007年

都留(山梨)

部活動の時間を確保するため休み時間を10分→7分に短縮、三宅島噴火による避難生活中だった都立三宅高校と合同練習や試合を行った/初戦敗退

都城泉ヶ丘(宮崎)

県内有数の進学校。狭いグラウンドという悪条件を工夫をこらした練習で克服/2回戦敗退

2008年

安房(千葉)

創立100年を超える文武両道の進学校(YOSHIKIの母校でもある)。地元の中学出身者だけでチームを構成/2回戦敗退

成章(愛知)

創部100年を超える県立の進学校。試合会場まで長距離移動というハンデを乗り越え強豪私立と接戦を演じた/2回戦敗退

華陵(山口)

全校生徒が日本赤十字の会員。過去4年間で春秋合わせて中国大会に6回出場/3回戦敗退

2009年

利府(宮城)

地域の清掃活動に積極的に参加。運動部員が小学校へ出前授業をしている。生徒が梨農家の手伝いをしている/ベスト4

彦根東(滋賀)

ライト(右翼)がレフト(左翼)よりも30mも短い変形グラウンドという悪条件を、工夫をこらした練習で克服/初戦敗退

大分上野丘(大分)

県内随一の進学校。放課後の練習は2時間までと決められていながら、2008年秋季大会では九州大会出場を果たした文武両道/初戦敗退

2010年

山形中央(山形)

野球のみならずスキーやスケート、柔道なども全国トップレベル。率先して学校周辺の清掃活動に取り組み、部の方針に「感謝」を掲げ地域貢献/初戦敗退

向陽(和歌山)

1939~40年に全国大会を連覇した名門校。副主将は生徒会長も務めて学校生活にも熱心に取り組む/2回戦敗退

川島(徳島)

少人数部員(18人)で、グラウンドで使える広さがダイヤモンドとほぼ同じという悪条件を、工夫をこらした練習で克服/初戦敗退

2011年

大館鳳鳴(秋田)

1898年創立の進学校。部員全員が地元出身で、冬はボランティアで除雪を行い地域に貢献/初戦敗退

佐渡(新潟)

本州まで2時間半かけて遠征し練習試合を行う離島のハンデを乗り越え、2010年秋の県大会で準優勝/初戦敗退

城南(徳島)

創立創部とも県内最古の歴史を持つ進学校。部員全員が近隣中学の出身で、生徒会活動などに積極的に参加/2回戦敗退

2012年

女満別(北海道)

全校生徒134人の小規模校で野球部員は19人。氷点下20度以下も珍しくない寒冷地の中で2011年秋の北海道大会ベスト16と健闘/初戦敗退

石巻工(宮城)

前年の東日本大震災で部員のほとんどや学校のグラウンドが被災したが、その年の秋季大会で準優勝を果たした/初戦敗退

洲本(兵庫)

1953年センバツの優勝校で、阪神・淡路大震災当時に生まれた生徒が主力。県内の強豪校と互角に戦い続けた/初戦敗退

2013年

遠軽(北海道)

町唯一の道立校で、生徒の8割は町民。町内の催事に生徒や教職員が積極的に参加/2回戦敗退

いわき海星(福島)

東日本大震災とそれに伴う大津波や福島の原発事故の渦中でも夢を諦めずに頑張る姿が、風評被害に苦しむ県民に希望と元気を与えてくれる/初戦敗退

益田翔陽(島根)

他校の模範たり得るマナー、統合により誕生した学校で部員確保の苦労を克服し、ボランティア活動にも積極的に参加/初戦敗退

土佐(高知)

学校は1920年、野球部は1947年創立と歴史を誇る。「文武両道」と共に掲げられる「全力疾走」のモットーは全国的に有名/初戦敗退

2014年

小山台(東京)

都立の進学校。限られた練習時間や狭いグラウンドなどの練習環境を克服し、秋の都大会で私立の強豪校を破りベスト8入り/初戦敗退

海南(和歌山)

春夏通算20回出場の伝統校。校舎改築工事の影響でグラウンドが使用できない厳しい練習環境の中、秋の県大会で準優勝/初戦敗退

大島(鹿児島)

奄美大島の県立校でグラウンド周辺にはハブも生息。試合時には鹿児島市内までフェリーで11時間かけて遠征する離島のハンデを乗り越え秋の県大会でベスト4入り/初戦敗退

2015年

豊橋工(愛知)

整備用トンボや防球ネットなど練習道具の多くを手作りし、工業高校らしい創意工夫で練習環境を整えている。毎朝の学校周辺清掃で地域に貢献/初戦敗退

桐蔭(和歌山)

夏の第1回大会から出場し春夏計3度優勝した古豪。高校野球100年の節目の年であり、草創期からの貢献が重視され53年ぶりの出場/初戦敗退

松山東(愛媛)

県内最古の伝統校。文部科学省指定「スーパーグローバルハイスクール」で文武両道を実践し、82年ぶりの出場/2回戦敗退

2016年

釜石(岩手)

東日本大震災で部員24人中9人が自宅を失い、親を亡くした部員もいる。グラウンドを6つの運動部で共用する厳しい環境にも負けず秋の県大会で準優勝/2回戦敗退

長田(兵庫)

阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸市長田区にある県内屈指の進学校。敷地内に定時制と通信制の高校が併設され練習が制限される中での秋の県大会ベスト8入り/初戦敗退

小豆島(香川)

部員17人ながら自主性を持って練習に取り組み、高松商を破って初優勝。生徒減に悩む学校の希望の星となった/初戦敗退

2017年

不来方(岩手)

部員わずか10人のため実戦形式の練習ができず、練習時間の9割を打撃に充て打ち勝つ野球を貫き、秋の県大会で準優勝/初戦敗退

多治見(岐阜)

狭いグラウンドを他部と共用し、工夫をこらした練習で秋の県大会初優勝。小学生に野球教室を開くなどボランティア活動にも熱心/初戦敗退

中村(高知)

過疎化が進む地域に位置するが中高一貫校の特例を活かした強化で秋の県大会優勝。1977年春以来40年ぶりの出場/初戦敗退

2018年

由利工(秋田)

「地域に愛される学校」を目標に掲げ、部員が率先して地域住民へ挨拶活動を実践。工業高校の技術を活かし車椅子修理などのボランティア活動にも励む

膳所(滋賀)

全国屈指の進学校。セイバーメトリクスを取り入れ、野球経験のないデータ分析専門の部員が対戦相手の打球傾向を分析し守備位置を調整、秋の県大会ベスト8入り

伊万里(滋賀)

公立の進学校で平日は練習時間90分ながら効率的に練習。部員が地元の少年野球大会の審判をボランティアで務め地域に貢献




 

21世紀枠の問題点は?

センバツ21世紀枠の問題点は、選考基準があいまいで不明瞭な点だと考えられます。

 

21世紀枠に選ばれなかった学校の中にも、進学校や地方大会で好成績を収めた学校はいくつもあります。

 

また選考基準の中に「地域貢献」などがありますが、穿った見方をするならば、

“21世紀枠目当てにボランティア活動を行う”

なんていう学校が出てくるというような気がしてなりません。

 

いっそのこと、もう21世紀枠は無くしてしまってもいいのではないかと思います。

 

ただ純粋に野球に打ち込んでいる高校生たちには何の罪もないので、もし21世紀枠で出場するからには快進撃を目指して全力で頑張ってもらいたいと思います。