「蛇紋岩(じゃもんがん)」と呼ばれる石に含まれるアスベスト(石綿)を吸って肺がんになったとして、埼玉県の造園業の男性が労災認定を受けました。

 

蛇紋岩とはいったいどんな石なのでしょうか?

 

蛇紋岩の画像や性質、健康被害についてまとめてみました。

 

 

蛇紋岩とは?画像や性質、使用用途について

蛇紋岩(じゃもんがん)とは、大量に水を含む岩石です。

 

岩手県では蛇紋岩を「岩手県の岩石」に指定しています。

 

表面の模様が蛇の皮に似ていることから「蛇紋岩」という名前がつけられました。

蛇紋岩

 

蛇紋岩は日本に広く分布していて比較的値段も安いことから、コンクリートに使う砂利に加工されたり、表面の模様の美しさを活かした庭石や装飾品などに加工されたりしてきました。

蛇紋岩の勾玉

写真は「日本翡翠情報センターのブログ」さんより

 

蛇紋岩は水を多く含んでいることから加工が容易な反面、もろくて崩れやすいという性質があります。

 

また蛇紋岩はアスベスト(石綿)やクロム、ニッケルなどの鉱物資源を含んでいることが多いという性質もあります。

 

 

蛇紋岩のアスベストで肺がん、造園業者が労災認定

今年2017年4月、蛇紋岩のアスベスト(石綿)で肺がんになったとして、埼玉県の造園業の男性が労災認定されました。

 

男性が蛇紋岩を扱っていたのは40年前の1970年代のことで、庭石に使う蛇紋岩を仕入れる仕事をしていたそうです。

 

蛇紋岩はよく売れたといいますが、採石場ではダイナマイトで岩を爆破するなどしていて、風の強い日には砂ぼこりがもうもうと舞う中で働いていたそうです。

 

当時、ほとんどの作業員がマスクを付けていなかったと男性は語っています。

 

男性は2015年に早期の肺がんが見つかり、労働組合の担当者から「肺がんなら石綿(アスベスト)の可能性を調べるべき」と勧められたことで、肺がんの原因がアスベスト(石綿)であることが分かったそうです。

 

幸いこの男性は手術で体調が回復し、現在は造園業に復帰しています。

 

蛇紋岩製品は吸うと危険?

蛇紋岩にはアスベスト(石綿)が含まれていますが、蛇紋岩でできた庭石や装飾品を吸い込むと危険なのでしょうか?

 

結論を言うと、蛇紋岩を吸い込んでも肺にアスベストは入りませんので、大丈夫です。

 

蛇紋岩の白い部分が風化して線状になり、さらに風化して綿状になったものがアスベスト(石綿)です。

 

このアスベスト(石綿)を長期間、大量に吸い続けることで肺がんの原因となるのです。

 

なので庭に蛇紋岩があったり、蛇紋岩製品を持っているからといって健康被害が起こることはありません。

 

まとめ

蛇紋岩は蛇のような模様を持ち、加工が容易なことから、昔から庭石などに加工され使われてきました。

 

もし過去に蛇紋岩の発掘作業などに長年携わっていたような場合、アスベストを吸い続けていたとすると数十年の潜伏期間を経て中皮腫や肺がんを発症する危険があります。

 

今回、造園業者が蛇紋岩による肺がんで労災認定を受けたことが明らかになりましたが、通常は蛇紋岩を所有しているだけでは健康被害は生じないので大丈夫です。