2018年に開催される「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」で【絵画史上、最強の美少女】と銘打たれた絵のモデルが気になりました!

 

ルノワールによって描かれたこの美少女の名前は、イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢。

 

可愛いイレーヌとはいったいどんな人物で、どのような生涯を送ったのか?調べてまとめてみました!

 

 

「絵画史上、最強の美少女」イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢とは?

2018年に日本の3都市(東京・福岡・名古屋)で開催される「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」の目玉がこちらです!

イレーヌ・カーン・ダンヴェール

 

巨匠ルノワールによって描かれたこの美少女の名前は、イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢。

 

この絵が描かれた当時(1880年)、イレーヌは8歳でした。

 

背中まである長い髪と透き通るような白い肌が印象的なイレーヌの美少女っぷりは、まさに【絵画史上、最強】の名にふさわしいですよね!

 

イレーヌとはいったいどんな人物で、どういう人生を歩んできたのでしょうか。

 

イレーヌは深窓のお嬢様で3姉妹の長女!

イレーヌは1872年、フランスのパリで生まれました。

 

父のルイ・カーン・ダンヴェール伯爵はユダヤ系の裕福な銀行家で、イレーヌは父ルイと母モゥパーゴの間に長女として誕生しました。

 

ちなみにこちらがイレーヌの母、モゥパーゴです。

モゥパーゴ

イレーヌがかわいいから母モゥパーゴも美人なのでは…と思いましたが、その通りでしたね!

 

イレーヌにはエリザベス、アリスという2人の妹がいます。

ピンクとブルー

右がエリザベス(イレーヌの2歳下)で、左がアリス(イレーヌの4歳下)です。

 

通称「ピンクとブルー(Pink and Blue)」と呼ばれることもあるこの絵は1881年に描かれたものですが、妹たちもかわいいですよね(*^^*)

 

 

イレーヌの生涯が波乱万丈で泣ける

イレーヌは深窓のお嬢様らしく穏やかで幸せな人生を歩んできたのかと思いきや、そうではなかったようです。

 

イレーヌは肖像画が描かれた11年後、19歳でユダヤ人銀行家のカモンド(31歳)と政略結婚させられます。

 

自分の意思とは関係なく12歳も年の離れた男性のもとへ嫁いだイレーヌでしたが、長男と長女を授かりました。

 

このまま家族4人で幸せに暮らしていければよかったのですが、イレーヌの結婚生活は10年ほどで破綻してしまいました(夫カモンドの浮気が原因と見られています)。

 

イレーヌは離婚の翌年、2人の子供たちのためにイタリア貴族のサンピエリ伯爵と再婚しました。

 

しかしこの結婚から14年後、パイロットをしていたイレーヌの長男ニッシムが第1次世界対戦で命を落としてしまいます。

 

さらに、サンピエリ伯爵との結婚生活も20年ほどで破綻してしまいました。

 

イレーヌが70歳近くになった頃、第2次世界大戦が勃発。

娘のベアトリーチェ、ベアトリーチェの息子バートランド、イレーヌの妹エリザベスらがアウシュビッツ政策により命を落としてしまいます。

バートランド

 

上の写真はイレーヌの孫・バートランドです。

なかなかのイケメンですが、残念ながら若くして天へ召されてしまいました。

 

イレーヌがアウシュビッツの毒牙にかからずに済んだのは、イレーヌが2度目の結婚の際にカトリックに改宗し、名前もイタリア風のものに変えていたためだと言われています。

 

イレーヌは91歳まで長生きし、1963年にその生涯を終えます。

 

イレーヌ・カーン・ダンヴェールの肖像画が辿った運命は?

ルノワールによって描かれた「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」、またの名を「可愛いイレーヌ」と呼ばれるこの肖像画は、印象派の絵画の中でも特に人気のある作品です。

 

この絵が描かれてから現在まで、どのような運命を辿ってきたのでしょうか?

 

「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」は1880年に描かれました。

 

第2次世界大戦の最中、肖像画「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」はナチスのナンバー・ツーであった将校ヘルマン・ゲーリングによって所有されていました。

 

戦争終結後、ナチスが略奪していた美術品は返還され、1946年にパリのオランジュリー美術館に展示されました。

 

この中に肖像画「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」もあったのですが、イレーヌ本人が所有権を主張し、74歳でイレーヌの元に戻りました。

 

家族に先立たれたイレーヌは、もしかしたら自身の肖像画を幸せだった頃の象徴として、心の拠り所にしていたのかもしれませんね。

 

その後スイスの実業家エミール・ゲオルク・ビュールレによって「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」が買い取られ、現在はスイスのチューリッヒにあるビュールレ・コレクション美術館が所有しています。

 

「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」を“印象派の代表作”“絵画史上、最強の美少女”として眺めるだけでなく、イレーヌ本人や絵画が辿ってきた運命に思いを馳せながら鑑賞すると、また違った想いが湧いてくるように感じました。