茨城県大洗町にある日本電子力研究開発機構大洗研究開発センターで起きた放射性物質(ウランとプルトニウム)が漏れ、5人の作業員のうち4人の肺から放射性物質が検出される(内部被曝という事故がありました。

内部被曝事故

残る1人も内部被爆の可能性が高いとのことです。

作業員の1人からは最大2万2千ベクレルのプルトニウム239が検出されました。これは1年間に1.2シーベルト(Sv)、50年間で12Svに相当するそうです。

2万2千ベクレルという数字は、内部被曝としては国内最悪だそうです。

・・・国内最悪、と言われても「ベクレル」や「シーベルト(Sv)」という単位がピンと来ませんよね。

そこで「ベクレル」「シーベルト」について調べて、過去に起きた『東海村JCO臨界事故』と比較してみました!

「ベクレル」や「シーベルト」って何?

ベクレル」や「シーベルト」は放射性物質の量や強さを表すときにに使う単位です。

そもそも放射線とは何か

放射性物質とは、放射線を出す物質の総称です。

放射線にはアルファ線・ベータ線・ガンマ線の3種類があります。

放射線

アルファ線は放射線の中で最も重い粒子の流れです。そのためアルファ線は“紙1枚で止められる”と言われています。

ベータ線はアルファ線ほど重い粒子ではありませんが、それでも厚さ数ミリのアルミ板で止めることが出来ます。

ガンマ線は高い運動エネルギーを持った光の仲間です。ガンマ線を止めるためには厚さ10センチの鉛板が必要となります。

放射性物質の例を上げると、ウラン、セシウム、プルトニウムなどがあります。

「内部被曝」と「外部被曝」の違い

内部被曝と外部被曝

被曝(ひばく)とは、放射線に曝される(さらされる)ことを指します。

被曝とは放射線を浴びる、と同じ意味です。

内部被曝とは、体内に入りこんだ放射性物質が出す放射線を浴びることです。

外部被曝とは、身体の外から放射線を浴びることです。

放射性物質の単位「ベクレル」と「シーベルト」の違い

ベクレルとは、放射性物質のを測るための単位です。

違う種類の放射性物質でも、ベクレルで測った量が同じであれば、そこから出てくる放射線はほぼ同じくらいと考えてよいです。

ベクレルで測った量が等しくても、重さはぜんぜん違うということも多い。 たとえば、4000 ベクレルのカリウム 40 の重さ(質量)はだいたい 0.015 グラムだが、4000 ベクレルのセシウム 137 の重さは 1.2 × 10-9 グラム、つまり、0.0000000012 グラムしかない!

例えば「農作物にどれくらいの放射性物質が付着しているか」などを表すときの単位に「ベクレル」を使います。

ちなみに、農林水産省が定めた“一般食品に対する放射性物質の基準値”は100ベクレル/kg(食品1キロあたり100ベクレル以下なら安全)です。

シーベルトとは、放射性物質の強さを測るための単位です。

「○○シーベルト」というのは、ざっくり言うと、被ばくによって体全体が受けたかもしれないダメージの合計の目安だ。

「シーベルト(略してSvと記す)」は、外部被曝にも内部被曝にも使われる単位です。

1シーベルト(1Sv)はかなり大きいダメージなので、通常は1000分の1シーベルトである「ミリシーベルト(mSv)」を単位に用いることの方が多いです。

ちなみに、胸のレントゲン撮影で浴びる放射線は1回につき0.06ミリシーベルト、胃のレントゲン撮影で浴びる放射線は1回につき3.0ミリシーベルトくらいです。

日本人が1年間に受けている放射線は、医療現場で受けたものも含めて平均5.98ミリシーベルト程度だと言われています。

放射線の被曝が1シーベルト(1000ミリシーベルト)を越えると健康被害(吐き気や白血球減少など)を生じ、治療が必要です。

放射線の被曝が6シーベルトを越えると、ほとんどの人が死に至るとされています。

茨城内部被曝事故と東海村JCO臨界事故の比較

被曝事故といえば、1999年に茨城・那珂郡東海村で起きた株式会社JCOの臨界事故(東海村JCO臨界事故)が思い出される方も少なくないと思います。

今回の茨城・大洗での内部被曝事故と、東海村JCO臨界事故を比較してみました。

被曝者の数

茨城内部被曝事故:5名(4名は内部被曝、残る1人も内部被曝の可能性が高い)

東海村JCO臨界事故:667名(2名が死亡、1名が重体)

扱っていた放射性物質

茨城内部被曝事故:プルトニウム

東海村JCO臨界事故:ウラン

被曝者が浴びた最大の放射線ダメージ

茨城内部被曝事故:推定1.2シーベルト(1年間の内部被曝量として換算)

東海村JCO臨界事故:16~20シーベルト以上

事故の原因

茨城内部被曝事故:放射性物質(プルトニウム)の杜撰(ずさん)な管理

東海村JCO臨界事故:JCOのずさんな作業工程管理

 

今回の茨城・大洗での内部被曝事故も、1999年に起きた東海村JCO臨界事故も、いずれも作業にあたる人間の杜撰さが原因という点が共通しています。

茨城・大洗での内部被曝事故の被曝者は、今後長期的に経過を観察する必要があるそうです。

放射性物質を取り扱う機関は、慎重・万全な体制であたってもらわないと困ります。

被曝者の健康回復を祈るばかりです。