生後6ヶ月の赤ちゃんが、蜂蜜を離乳食として与えられたのが原因で亡くなったとの悲しい報道がありました。

同時に「それ(赤ちゃんに蜂蜜)は絶対にアカンでしょ~」とも思いました 🙁 
(自分は子を持つ親であり、医療従事者でもあります)

でもネットの声を拾うと

・常識なんだ?書いてあるの?

・乳児に蜂蜜を食べさせてはいけない。へー知らなかった。

・そうなんだ~知らなかった

という感想もありました。

そこで、今回は赤ちゃんに蜂蜜をあげてはいけない理由を、なるべく分かりやすく解説していきたいと思います。

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蜂蜜の中にいる「ボツリヌス菌」が赤ちゃんにNG

蜂蜜

ボツリヌス菌が「芽胞」の状態で蜂蜜に潜んでいる

ボツリヌス菌は土壌や川など自然界に居る菌です。

ボツリヌス菌の特徴として、酸素がない環境でも生きられる(むしろ酸素の無いところを好む)という点が挙げられます。

ボツリヌス菌は、自分の居る環境(温度・酸素・栄養分など)が自分の繁殖に適さないときは「芽胞」という姿で存在します。

「芽胞」とは?

芽胞」とは、簡単にいうと「」のようなものです。

例えるなら、菌が自分の遺伝子を殻に包んで守っている状態です。

この「芽胞」は、自分が育ちやすい環境に接すると発芽して再び繁殖します。

「芽胞」は熱や紫外線、消毒薬などに非常に強く、煮沸消毒では殺菌されません。

ボツリヌス菌の出す毒素は地球上で最強

生きているボツリヌス菌は、ボツリヌス毒素という毒素を産生します。

この毒素は非常に強力です。

体重60kgの人間に対するボツリヌス毒素の推定致死量は、たったの0.06ng(ナノグラム)です。(1ng=0.001mg)

これは青酸カリの200万分の1の量の致死量だと言えば分かりやすいでしょうか。

ボツリヌス毒素は、ほんの微量でも命を奪うのです。

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大人が蜂蜜を食べても平気で、赤ちゃんに蜂蜜を与えるのはNGな理由

赤ちゃんの腸内はまだ未熟

ヒトの腸内は、腸内フローラ(腸内細菌叢・ちょうないさいきんそう)と呼ばれる菌が生息しています。

腸内フローラの正体は善玉菌(大腸にとって良い働きをする菌。ビフィズス菌など)や悪玉菌(大腸にとって好ましくない働きをする菌。ウェルシュ菌など)です。

腸内フローラは病原菌を排除してくれる作用もあります。

そのため、大人が蜂蜜を食べても腸内フローラの作用でボツリヌス菌の芽胞は発芽せず、仮に発芽したとしても腸内フローラによってボツリヌス菌は退治されてしまうため、ボツリヌス毒素にやられてしまうことはありません。

なので、大人は蜂蜜を食べても大丈夫です。

しかし1歳未満の赤ちゃんは、大人と比べるとまだ腸内フローラが未熟です。

そのため赤ちゃんが蜂蜜を口にしてしまうと、ボツリヌス菌の芽胞が赤ちゃんの腸内で発芽してしまい、ボツリヌス菌が繁殖してボツリヌス毒素を産生し、赤ちゃんの生命を奪う危険があるのです。

赤ちゃんの腸内でボツリヌス菌が毒素を産生し、筋肉を麻痺させるなどの症状が出てしまう症状を「乳児ボツリヌス症」と呼びます。

蜂蜜は何歳から食べても大丈夫?

赤ちゃんの腸内フローラが出来上がるのが1歳頃です。

なので、蜂蜜をお子さんにあげるときは1歳の誕生日を過ぎてからにしましょう。

 

以上、赤ちゃんに蜂蜜をあげてはいけない理由を解説してみました。

乳児ボツリヌス症が日本で問題になったのは1980年代後半からです。

なので、それより前の時代(~1980年代前半まで)に子育てされていた世代や、子育てとあまり縁のない方は赤ちゃんに蜂蜜はNGということをご存じないかもしれません。

もしご存じない方がいたら、どうぞ伝えてあげてください。

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