レディ・ジェーン・グレイの処刑」は現在上野の森美術館で開催されている「怖い絵展」の目玉として話題の絵画です。

 

11月4日放送の「美の巨人たち」で紹介されたこともあり、実際に美術館へ足を運んで見てみようと思った方も多いと思います。

 

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」の見どころについて、まとめてみました。

 

 

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」とは?

レディ・ジェーン・グレイの処刑」はフランス人画家ポール・ドラローシュが19世紀に描いた絵画です。

レディ・ジェーン・グレイの処刑

 

ジェーン・グレイは今から450年ほど前に実在した人物です。

 

ジェーン・グレイはイングランド初の女王として即位するのですが、在位期間わずか9日間で君主の座から降ろされてしまいます。

 

そしてロンドン塔の広場にて処刑され、16歳でその生涯を終えてしまいます。

 

ポール・ドラローシュは、ジェーン・グレイが断頭台に散る直前の様子を「レディ・ジェーン・グレイの処刑」として描きました。

 

しかしこのジェーン・グレイの処刑場面は、史実と異なる点や不自然な点がいくつかあります。

 

それは画家ドラローシュの計算によるものでした。

 

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」ドラローシュの狙い

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」では、純白のドレスに身を包んだジェーン・グレイが屋内で処刑されようとする姿が描かれています。

 

しかしこれは史実と異なります。

 

実際はジェーン・グレイが処刑されたときには黒い服を着ており、処刑された場所も屋外の広場でした。

ジェーン・グレイ処刑
実際の処刑はこのように行われたと思われます。

 

またドラローシュは「レディ・ジェーン・グレイの処刑」でジェーン・グレイを他の人物より一回り小さく描いています。

 

そしてジェーン・グレイがまるでスポットライトを浴びたかのように明るく描かれています。

 

一体何故、ドラローシュは「レディ・ジェーン・グレイの処刑」をこのように描いたのでしょうか?

 

ジェーン・グレイを純白のドレス姿で描いた理由

ドラローシュはジェーン・グレイを純白のドレス姿で描くことにより、ジェーン・グレイの潔白を表現しています。

 

権力闘争に巻き込まれ、周りに担ぎ上げられるがままに王位に就き、そして反逆罪で処刑されてしまったジェーン・グレイ。

 

ジェーン・グレイの白いサテンのドレスは、彼女の気高さや清らかさを強調しているのです。

 

ジェーン・グレイが一回り小さく描かれている理由

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」をよく見ると、ジェーン・グレイが周りの人物よりもわずかに小さく描かれていることがわかります。

 

それはジェーン・グレイの弱さや儚さ(はかなさ)を強調するためです。

 

ドラローシュは自分の伝えたいものをより明確にするため、主人公であるジェーン・グレイをあえて小さく描いているのです。

 

ドラローシュが取り入れた光の演出

ドラローシュは絵画の常識を覆す光の演出を取り入れました。

 

それまでのフランス絵画は左側から光が差し込むのが主流だったのですが、

 

ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」では正面上から光を当てています。

 

これによりジェーン隣の聖職者の顔に影が落とされ、ジェーンの姿がまるで演劇の一場面でスポットライトを浴びたかのように強調されて見えるのです。

 

断頭台を前に左手に手を伸ばすジェーン・グレイ。

 

ジェーン・グレイの左手は絵の中で最も光り輝いています。

 

望まない処刑とはいえ、自らの意志で断頭台を探そうとする様子から

死を覚悟したジェーン・グレイの悲しい決意を読み取ることができるのです。

 

「レディ・ジェーン・グレイ」を見た感想

私は駅の掲示で「怖い絵展」を知り、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」を知りました。

 

ひと目見たら忘れられないようなインパクトがあり、是非この絵を生で見てみたい!と思って上野の森美術館へ足を運びました。

 

待ち時間は長かったですが、足を運んで本当に良かったです!

 

駅の掲示物や宣伝写真などで見る「レディ・ジェーン・グレイの処刑」ももちろん素晴らしいのですが、実物は本当に色合いが美しかったです!

 

ジェーン・グレイの清楚な美しさに目を奪われ、いつまでも絵を眺めていたいほどでした。

 

傍らの侍女の膝の上に置かれた、ジェーン・グレイの宝飾品の美しさ。

 

処刑人が手にする斧の重そうな質感と、手の甲に浮かび上がった血管。

 

作品の細かなところまでもが本当にリアルに描かれていて、だからこそこの場面の前後を想像し、ジェーン・グレイの運命に思いを馳せることができました。

 

日本に「レディ・ジェーン・グレイの処刑」がやってくるのは今回が初めてです。

 

この機会を逃すと、次に日本でこの絵を見ることができるのはいつになるか分かりません><

 

もし「見に行こうかな、どうしようかな」と迷っているようならば、是非とも「怖い絵展」へ足を運んでほしいと思いました!

 

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